(1)中学への進学

 

 

 

すまいるぷろじぇくと とは、すわクリニックが主催している発達障害についてのセミナーの呼称です。 2011年5月に始まり、現在U期生が学んでいます。

 

*座談会* は、その「すまいるぷろじぇくと」を修了した保護者の方たちの情報交換などの場です。 そこで語られたことを広く子育てに奮闘するお母さん、お父さんの参考にしてもらおうと、このたびHPにアップすることにしました。

 独特の才能やセンスを持ちながら、自信を持てずにいる子どもたち、彼らを育てる親たち、学校の先生たちに読んでもらって、よりよい環境、生きやすく学びやすい社会になってほしいという願いをこめて、すまいるぷろじぇくとに集まってくださった保護者の方々のメッセージをお届けします。

*個人が特定しにくいように、学年やエピソードを変えている部分もありますのでご了承ください。

 

 

すまいるぷろじぇくと*座談会*  (1) 「中学校への進級」

 

F1:今日はお忙しい中、みなさんお集まりいただいてありがとうございます。

 早速ですが、セミナーを終えてみて、何かよい変化とかありましたか?

 

A:やっぱり、他のお母さん、お父さんも頑張ってるって知ることができてよかったです。

(と、お隣さんとアイコンタクト)

B:そうだよね、この集まりができたことが心強いよね。

 

C:もっと言わせてもらえば、子どもたちのグループもできたらいいと思ってるんですけど…。

 

F1:そうですね、そちらもいつか実現したいと考えているんですけど・・・。

 

D:ぜひ、早めにお願いします(笑)

 

F1:さて、今日のテーマは「中学校への進級」なのですが…、どうでしょう、現中学生の親御さん、こうしたのはよかった、とかありますか?

 

F2:聞いた例ですが、小・中のジョイントスクールの一環で、中学の先生方が小学校の特支クラスを訪問して子どもたちと顔合わせをしたり、逆に子どもたちが中学校のクラスを訪問して、そこで体験授業をしたり、ということもあるようです。

 

E:特別支援のクラスにですか?

 

F2:そうです、他の子たちも中1のクラスを訪問したり模擬授業を受けたりするんですが、特別支援の子ども達も、進級予定の場所の空気感を体験する…という感じでしょうね。それも1度で終わりではなく、体験してみて不安に思ったことや気がかりなことを聞く「質問票」が行き交ったようです。さらに、特別支援の生徒たちは実際にフェイストゥフェイスで質問訪問もやったようです。小学校の特別支援の課程の中では、ソーシャルスキルトレーニング(わからないことはきいてみよう)に位置付けられていたんですね。

 

G:それはとてもいい感じですが、大きい学校では無理のような気も・・

 

F2:そうですね、実際そこはとても小規模の学校です。

 

H:そこまでではなくても、私は小学校から中学校への申し送りがあると思っていたのですが、

うちの場合はわざわざ申し送ってくださいとお願いしてあったにも関わらず何にも伝わっていなくて「えっ!?」という感じで、ショックでした。

 

I:何というか…、同じ伝わるならまずいことや問題行動だけでなく、このような傾向があるからどう対処すると落ち着けるとか、こうするとうまくやれるとかそういうことも申し送ってほしいな、と。

 

F1:そうですね、やはり成功例は参考になりますし。それと行動の観察は何かがあった、だけではなく、きっかけ-行動-結果(関わりによる変化)のように3段階で捉えることが大切です。これはセミナーの1回目でも触れたんですが・・・。家での行動観察でも同じです、○○した(だめだった/よかった)だけでなくその前と後も見ていきましょう。

 

J:なかなか難しいですよね、(周囲うなずく)そう思ってはいても・・・。

 

F2:「思っている」という点が大切です(笑)

 

K:えっと・・うちの場合は入学式直前に「入学式の練習をするので・・」と特別支援級の子どもと親が呼ばれて・・教室や体育館の確認や先生たちの紹介と学校に期待することとかを聞いてくれました。

 

L:いいですねぇ…、うちは今6年なんですけど、そんなふうにしてもらえたらいいのに・・。

 

F2:こちらからお願いしちゃう、というのも手では? どの子にも中1ギャップがあると言われている昨今です、特に変化に弱かったり、学区を超えての入学だったりしたら、事前に先生の顔を知っていること、何かあった時、どう連絡を取り合うか、など予めわかっているとドキドキ感が減りますよね、親も本人たちも。

 

M:そんなことできるんでしょうか…、入学前からクレーマーとか思われるのは・・・。きっと入ってからもいろいろお世話をかけると思うし・・・。

 

F1:もし現担任の先生に話しやすかったら、小学校の先生から中学校にお願いしてもらう、というのもいいかもしれません。

N:あと、私はやはり友達とのかかわりが心配…、一緒にお弁当を食べたり、休日に遊びに出かけたりする友人がいないとさびしいだろうなって。やっぱり人づきあいは苦手だし、トラブルになってしまうこともあるし・・・。

 

F1:う〜ん、それもそうなんですけど、彼らにとって一人の時間、静かに落ち着ける時間もとても大事なんですね、なので、友達づきあいも大切だけど一人の時間も大切にするというどっちも主義でいけるといいのじゃないかと。

 

F2:ちょっと冷たいかもしれませんけど…、小・中学校の友人関係って実は高校進学や就職で途切れることが多いんですね。だからモノスゴイ無理をして仲良くするというよりは、挨拶とかはするけど苦手な人はニガテのままでいい、という感覚も必要かもしれません。

 

O:え、いいんですか? みんなと仲良く、とか学校の先生に言われていて、うちの子は生真面目なんだけど融通がきかないところがあるから、本当に「全員と仲良くしなきゃ、でもできない。こっちと遊べば◇◇さんと遊べないし」みたいな感じで、けっこう混乱状態ですね。

 

F2:考えようによっては、これも一種のソーシャルスキルですよね、嫌いはきらいでいいけども、面と向かって言わないとか、自分からムリに話しかけないけど礼儀としての挨拶とか受け答えはする、とか。

 

P:少し話は変わりますが、現在私の悩みは子どもが協力学級に行かせてもらえないことです。小学校の時の先生はできるだけ将来の自立を目指してコミュニティの中で生きていくことを身に着けさせたいと言ってくださって、ほとんどの授業や行事を通常級で過ごさせてもらったんです。本人もそれこそ話せる友人もできて、楽しそうに学校に行ってたんです。それが中学に入ったら支援クラスの中で一日が、時には一週間が終わることもあり、母としてはどう先生に伝えればいいかもわからないし、本人はみんなとやりたいってゴネるし。

 

Q:それは、ちょっと、だねぇ。

 

R:小学校の時はみんなとやれていたんだよね、それなのにどうして一緒にやらせてもらえないのかな…

 

S:うちは中学生ですが、やっぱり担任の先生はトライ&エラーで行こう! ちょっとくらいのエラーはみんなにあるのだから気にせずどんどんトライしようという立場でいてくれるし、実際通常のクラスにしばしば行っているようです。まぁ、うちの場合は本人は「めんどうだ」とか言ってあまり行きたくないような感じですけど…。

 

T:小学校時代のがんばりというか、できてたことがそれこそ伝わってないのかな? 担任の先生が、小学校時代その子が通常クラスでOKだったということがわかると、変わるんじゃない?

 

P:そうなのかなぁ・・、話してみた方がいいのかなぁ、でもやっぱり話しにくいなぁ・・。

 

F1:そういう時は、必要に応じてクリニックからの提案という方法もありますよね。段階をみながら、次のステップにトライしてみる必要はあるわけですし。

 

F2:今、何年生でしたっけ? 今年後半をウォーミングアップの期間と考えて、参観日などの時に少しずつ子どもさんの言葉や希望を先生に伝えていくのもいいかもしれません。セミナーでもやってみたアサーティブな言い方とか、Iメッセージとかを意識しながら、遠慮とか配慮は大切だけど、我慢のしすぎで黙ってしまわないように…、ですね。

 

P:そうですね、親もいろいろとチャレンジやトライが必要ですよね(^_^;)

 

 

F1:えぇ〜と、では、今日のまとめをしていきたいのですが…、

一つは、申し送りを積極的に活用してもらえるように、対応のコツなども含めたものにしてもらえると嬉しい、ということですね。あと、できたら実際に見るとか中学校の先生に会うとか。

そして、とても大事なことですが、小学校時代にできていたこと、頑張っていたことに積み重なるように指導計画を立ててほしいということですね。社会性やジョイントする力が後戻りしないように。

それからやはり心をひらいて対話する、ということでしょうか。

 

ありがとうございました。(ありがとうございました)           文責:F2/吹雪